時代を予言していたジウジアーロの自動車のデザイン

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 子供の頃、「カーデザインの巨人 ジウジアーロ」という本を借りたことがある。初めてこの本を借りたときは、ただ車がたくさんあるとしか思っていたが、図書館に行ってみたら、この本を久しぶりに見つけ、とりあえず読んでみた。

 初版が昭和60年と古いこの本を読んでいると、この時代は車にはまだ広がる余地があった時代だった。ジウジアーロは数々のデザインを手がけていて、市販車、オートバイ、カメラなどがあるが、ここではコンセプトカーに絞って書こうと思う。

 コンセプトカーは基本的に市販を前提としない車両と、市販を前提とした車両に区別される。前者は基本的にデザイン、設計的に一般の公道で走れなく、後者はティザー広告に近い存在で、実質的には市販車と同じと考えたほうがいい。しかし、この時代のジウジアーロが手がけたコンセプトカーは、前者や後者ともまったく関係がなく、自動車の未来を見据えたコンセプトカーが存在していた。

 その1つはミニバンだろう。ジウジアーロはランチアのガンマという中型セダンをミニバン化したランチア・メガガンマという車をコンセプトカーに出した。「現代の車は屋根が低いが、古い時代の高級車はシルクハットをかぶったままでものれるほど車高が高く、室内も広かった。小型車でも車高が高いデザインを積極的に取り入れればいいのでは?」とジウジアーロは考えて、メガガンマを作ったらしい。
 このミニバンスタイルは、日本のスズキ・ワゴンR、フランスのルノー・セニック等、数々のメーカーに影響を与えるようになった。

 また、未来のニューヨークのタクシーはワンボックスカーになると提案したアルファロメオのタクシーコンセプトも注目すべきところだろう。ワンボックスカーにすることによって、スペース効率が上がり、車椅子の人も乗車が可能になれる、素晴らしいタクシーは、日産がNV200バネットを、ニューヨークでタクシーとして使われることが決定したので、これも実現されたといってもいいだろう。

 昔のジウジアーロが凄いのは、コンセプトカーは絵に書いた餅ではなくて、本当にいつか出る餅だったということだ。たとえば、2011年の東京モーターショーで、トヨタがスマートフォンみたいなクルマを出したが、あれがいつか市販されると思う人はいるのだろうか?少なくとも自分は絵に書いた餅でしか無いと思う。



 自動車デザイン 歴史・理論・実務 車というの本を読んでいて、コンセプトカーの絵を見ていると、道具的に通用しないのが多いように見えた。車は道具として限界までやりつくしたおかげで、感性面を追求するデザインしかないのだと思う。ただ、そういう車が登場していたのか、昔よりも車に興味が薄れていったのだと思う。
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